ブレーキの「キーー!」「ギーー!」音について【スポーツ車のVブレーキの音鳴りの原因と対処方法とあまり知られていない対処方法】

整備士 W.H.
2026.10.7
投稿日 2026.10.7

 

こんにちは、

整備士のW.Hです。

 

みなさんは自転車に乗った時にこんな経験ありませんか?

ブレーキをかけたときに聞こえる『キーー!』や『ギーー!』という音鳴りという現象。

 

おそらく、自転車に乗っている方なら9割近く、

いや!もしかしたら、全員が聞いているかもしれません。

 

厄介ですよね、この音。。。

特に閑静な住宅街で、この音が鳴った日には。。。

 

今回は、スポーツ車のVブレーキの音鳴りについて『原因』『対処方法』を書いていこうかと思います。

 

ただ、この音鳴りの原因は一つではありませんし、全ての症状に対応できるわけではありません!

なので、代表的な事例として書いています。

やったのに、直らなかった!!と言われましても、責任を持てませんので。。。悪しからず(笑)

 

 

 

 

■ブレーキシューが『キーー!』と鳴る原因と原理

 

音の正体は、ゴム(ブレーキシュー)と金属(リム)が擦れ合って発生する「スティックスリップ現象(摩擦振動)」です。

 


・音が鳴る原理:

 

ブレーキをかけると、ブレーキシュー(※以降シュー)【ゴム】がリム【車輪の金属部】に引っ張られて一瞬たわみます【ストップ】

↓

しかし、車輪の回転力に負けてシューが元の位置に戻ります【スリップ】

↓

この「掴んで、離れて」が1秒間に何十回も超高速で繰り返されることで、

あの不快な「キーー!」という高音の振動(共鳴)に変わります。

 

 


・発生する主な原因4選:

 

1. ゴムの経年劣化(硬化):

雨風や紫外線でシューがカチカチに硬くなると、摩擦が均一にならず振動しやすくなります。


 

2. リムの汚れ・油分の付着:

車輪の側面に泥や、チェーンの潤滑油が飛び散って付着すると、

滑る場所と止まる場所ができてしまい振動が起きてしまうこともあります。


 

3. ブレーキの角度ズレ:

シューがリムに対して「完全に平行」または「後ろ側から」

当たってしまうと、ゴムが激しくバタついて音が鳴り響きます。
 

 

4.シューの摩耗や異物刺さり:

シューが摩耗で削れて金属部が見えたり、小石や金属片が刺さった

状態ですと、リムが傷ついて音鳴りが発生します。

 

 

 

 

 

・【自分でできる】キーキー音を解消する3つの対処方法:

 

難易度の低い順から解説します。

 


対処法①:車輪(リム)の洗浄・脱脂(難易度:★☆☆)

まずは一番簡単な原因から潰していきます。

『パーツクリーナー』(なければ中性洗剤を薄めたもの)を布に含ませ、

車輪のゴムが当たる金属面をゴシゴシと拭き掃除します。

これだけで直るケースも多いです。

 

 

(パーツクリーナーでふき取り)

 

 

 

対処法②:ブレーキシューの「トーイン(ハの字)調整」(難易度:★★☆)

音止めに最も効果的なプロの技です。

※この作業に慣れていない人は、無理をせずに自転車屋さんに持って行ってください。

 

(トーイン)

 

ゴムの向きを、上から見たときに「ハの字(前を狭く、後ろを広く)」になるように角度をつけます。

調整時は、ゴムの後ろ側に「厚さ1mm程度の厚紙(名刺など)」を挟んでボルトを締め直すと、

簡単に綺麗なハの字(トーイン)が作れます。

これにより、前側から滑らかに車輪に当たるため、『振動(スティックスリップ)』がピタッと止まります。

 

(厚紙を差し込んだ状態)

 

 

 


対処法③:ブレーキシューの交換(難易度:★★☆)

※この作業に慣れていない人は、無理をせずに自転車屋さんに持って行ってください。

 

ゴムの溝がなくなっている場合や、硬化している場合は交換しかありません。

ホームセンターやAmazon、自転車屋さんなどで、数百円〜1,000円程度で

「音鳴り対応」と書かれた柔らかめのシューが売っています(シマノ製などが定番です)。
 

(ブレーキシュー)

 

 

 

 

更にこれは、あまり知られていない事だと思うのですが、

対処法②の逆説的な方法も実はあります!!

 

それは、

 

トーインで調整ではなく、『逆トーイン(前が広く、後が狭い)』

 

で音鳴りがなくなる理論

 

 

(逆トーイン)

 

 

・理論と理由

 

結論から言うと、「ブレーキアーム(台座)のガタツキや歪みがある場合、

逆トーインにすることで、ブレーキ時にちょうど『平行(面接触)』になるから」です。

ママチャリや長年乗った自転車や台座にガタつきが見られる自転車では、

以下のメカニズムで逆トーインが正解になります。

 

 

① 自転車の「経年劣化」と「ブレーキの遊び(ガタ)」

自転車のブレーキを強く握ると、車輪の回転力に引っ張られて、

ブレーキアーム(金属の骨組み)や固定しているボルトの隙間(遊び)のせいで、

ブレーキ全体が前方にグニャッと数ミリ歪みます。

 ↓

② 通常の「トーイン」だと逆にバタつく原因

アームが前方に歪むということは、ブレーキの「前側」がより強く車輪に押し付けられる形になります。

もし最初から「トーイン(前を狭く)」に設定していると、

ブレーキをかけた瞬間に前側だけが超猛烈に車輪に食い込んでしまい、

ゴムが激しくたわんで「スティックスリップ現象(激しい振動)」を引き起こす原因になります。

 ↓

③ 「逆トーイン」が正解になるメカニズム
 

 

 

 

・やってはいけない!間違った「音止め」の注意点

 

これは、絶対にやってはいけないので、

↓やろうと思った人は、『今すぐに、やめて下さい!!』

 

・KURE 5-56などの潤滑油をかける

これは、絶対にNG!

「キーキー鳴るから油をさせばいい」とブレーキに潤滑油などを差す人がいますが、

油でスリップをおこし、ブレーキが一切効かなくなり大事故に繋がります。

絶対にやめてください!

 

 

・やすりで削る効果は一時的

ゴムの表面をやすりで削って一皮剥く方法もありますが、

ゴム自体が劣化している場合は数日で音が再発します。根本解決には交換がベストです。
 

 

とこんな感じで書いていきましたが、

いかがでしたでしょうか?

 

今まで悩んでいた『音鳴り』が解消されたなら、うれしいです!

 

今回は、

『ブレーキの「キーー!」「ギーー!」音について【スポーツ車のVブレーキの音鳴りの原因と対処方法とあまり知られていない対処方法】』

でした。

 

 

 

【今回の検証で使用したサンプル車】

 

 

 

 

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